音工房Zでは完成品が30万程で販売されています。
※不定期に販売されているので執筆時は完売で、今後再発売されるようです。
なぜそんなに高いのかというと、使用されているユニットがFOSTEX製でFW168HRという16センチウーハーが3万程、T250Dというツィーターが3.7万程。
つまりユニットだけで6.7万×2=13万超するのです。
ツィーターはFOSTEX G2000というペア130万!のハイエンドスピーカーに使われているツィーターとほぼ同等品とな。
それが、キットだと17万程で手に入ると・・・(^^;;
オーディオも趣味のひとつで、スピーカーをとっかえひっかえ収集しようやく納得できるスピーカーとしてSANSUIがJBLユニット組んだSP-LE8Tをメインとして愛用していましたが、そろそろオーディオも断捨離の頃合いかなと思い、一念発起で購入してみました。
と、云う事でその製作記です。
と言っても、このキットは加工精度が素晴らしく組み立てフォローも動画などでも詳しく解説されていて、スピーカー作りが全く初めての方でも失敗なく完成させることが出来るでしょう。
ただ、キットと言えども17万もするのだから他人から見ても「お、高級スピーカー!」と思わせる様に、私は最終仕上げ(塗装)にこだわりました。
が、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいました・・・(^^;;
偶然このサイトを発見された方のために、同じ失敗をされないように記しておきます(苦笑)
さて届いたキットの内容はこんな感じです。
先にも書きましたが、加工精度は素晴らしいです。
保護用サランネットもキット化されています。
とにかく必要な材料は全て揃っています。
あと組み立てに必要な道具類として最低限用意するのは木工用ボンドと、サランネット接着用クルーガン(ホットボンド)に、ネットワーク組み立て用にハンダごてとハンダ位でしょうか?
あ、スピーカー端子とアッテネーター固定用にスパナかプライヤー、スピーカー固定用のプラスドライバー等が必要ですね。
まあ、ちょっとした工作をした方であればこれくらいの道具は手元にあるでしょう?
ユニットは一組しか写ってませんがちゃんと二組ありますから(^^;;
部材にはあらかじめダボ穴が空いています。
ボンドを塗り広げダボを打ち込みどんどん組んで行くだけです。
組んだ時にこのくらいボンドがはみ出るのが理想です。
もちろんはみ出したボンドは拭き取ります。
天地と正面と裏板を組んだらボンド乾燥のため1日ほど放置です。
理想はこの様なクランプで固定しておくのがよいでしょう。
このクランプ材もオプションですが販売されています。
全ネジとボルトナットはホームセンターでの調達になります。
クランプなしでもキチッと組んで触らなければ大丈夫だと思います。
1日ほど経ったら側板を組みます。
側板には4箇所のダボがあるのでクランプも4箇所かませます。
側板前部が45度にカットされているので、キット付属の当て木をかませます。
接着剤が乾けばエンクロージャー(箱)の完成です。
ここまでならボンドの乾燥時間をみても3〜4日ほどで出来るでしょう。
このままでも木目が見えて綺麗なのですが、やはり将来の汚れが気になります。
なので、塗装動画を参考に“ラッカー”サンディングシーラーで下地作りをしました。
このまま、あるいはニス仕上げでも問題ないレベルなんだけど・・・
っが、ここからが間違い(勘違い(^^;;?)の始まりでした。
どうもベニヤの積層木口が見えるのが高級感を台無しにしそうなので・・・
私は着色仕上げを目論んでいました。
つまりこういう事になりました・・・
最終仕上げ様に私が選んだのは“油性”ウレタンニスの黒だったのです。
うっすらと木目が見えるくらいの黒。
ところが画像のように直ぐにタレてきて全く下地と馴染まないのです(>_<)
どういうことかと言うと、
ラッカーにはラッカーの油性なら油性の塗料を使わなければいけないということでした。
塗装のプロなら当たり前の事かもしれませんが、これまで本格的な木工塗装をしたことが無かったワタクシにとっては目が点になる出来事でした(^^;;
下地と馴染まなかったことが幸いし、
塗膜が柔らかいうちにスクレーパーで簡単に剥離できました。
ラッカー系で下地処理してるのでラッカー系のカラーを塗らなきゃいけないのですが、
ラッカー系には良い色のカラーが無いんです。
高級感を出すために黒系のツヤあり仕上げにしたいのに・・・
そこで見つけたのが。コレを塗布するとその上に塗る溶剤の種類は問わないという。
で、コイツを全面に吹いて・・・
カースプレーのプラサフを吹きました。
ただここでも失敗が・・・
ケチって一本のスプレー缶で二本仕上げようとしたので薄かったのです。
もっとタップリと吹いておけば・・・
その後同じくカースプレーのダークグレーマイカメタリックを吹いて、一見綺麗に出来た様に見えますが・・・
ベニヤの木口がまだ見えます。
画像では分かりづらいですが所々にチヂミが発生
さらに早く乾燥させようと窓際の絨毯の上に置いといたら絨毯の跡がぁ〜
結局チヂミが発生した部分をまたまたスクレーパーで削って・・・
※チヂミが発生と云う事は先に塗っていた塗料を後で塗った塗料の溶剤が溶かしてしまったと云う事。つまり下の塗料に密着してないと云う事です。
下の塗料と馴染むようにプラサフを少しずつ吹いて、
段差を目立たなくするために何回も何回もかなり厚く吹きました。
この時使ったワザが吹いては直ぐにドライヤーをあてて溶剤を直ぐに飛ばすと言う荒業。
ホントは塗装にチリやホコリは厳禁なんだけど、背に腹は変えられないし、どうせ後で研ぎ出すのでヘアードライヤー乾燥しました(^^;;
これが上手く云ってなんとか補修完了。
またダークグレーマイカメタリックを吹きましたが、
今度は少し吹いては直ぐにドライヤー当ててって感じで・・・
一部補修した後もなんとか目立たなくなりました。
軽くペーパー掛けて・・・
そして2液性ウレタンクリアーもドライヤー当てながら吹きました。
今回はクリアー1本だけでやめましたが、この方法ならもう1本吹いても大丈夫そうでした。
薄く吹いてドライヤー当てたので梨地仕上げに・・・
結局塗装代だけで2万位かかりました(>_<)
3日ほどかけてウレタンクリア完全硬化後、水研ぎです。
最初は1,000番です。
続いて2,000番で空研ぎ
次に7ミクロンのコンパウンド
さらに0.7ミクロンで鏡面仕上げへ。
その後バフがけまでしたかったけど、あんまりやり過ぎると薄い塗膜を削り過ぎるので・・・
そして見事に完成しました。
キットが届いて1ヶ月ほど。そのほとんどは塗装行程でしたがf(^^;;
ダークグレーマイカメタリック!真っ黒じゃないところが良い感じです。
側面にテレビの映像が見事に映っています。“ほぼ”鏡面仕上げ成功です!
天板もバッチリです。
裏と底は手抜きで梨地の半ツヤです(^^;;
音に関しては、とても解像度が高く一音一音がハッキリと分かり押し出し感が強い感じです。
それと、解像度が高いせいなのかリスニングポイントが僅かに正三角形の頂点を外れているだけで左右のバランスが崩れているように聞こえます。
つまり、左右の耳に届く音の時間差までもが確認できるほど・・・
はじめはスピーカーの配線間違ってるのかと思いましたが、左右を入れ替えてみても変わらなかったのでそういうことなのかなと思っています(笑)
最後に今までのメイン機SP-LE8Tとの聴き比べ動画をどうぞ。
音の善し悪しはまでは判断できませんが、音質の違いは分かると思います。